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指導力に優れ、学校をよく理解してくれる人となっている。

 

外部指導者の導入を考えない学校の意見として大きく分けると次の3点になる。

 

ア)導入する必要性を感じない。
イ)生徒指導上の問題点が考えられる。
ウ)部活動はあくまでも学校教育の一環である。

 

細かく見ていくと、
ア)について、
・顧問は専門家ではないが、熱心に指導しているから
・勝つことだけの指導ではなく、体力、体格の成長を考えて指導しているから
・部活動が社会体育へきちんと移行するまで考えることはないから
イ)については、
・顧問との間で部活動の運営方針が共通理解できればよいが、レベル向上だけに主眼がいき教育的配慮がなされないことが出てくる可能性があるから
・無理に導入した場合、顧問との人間的トラブル発生の可能性があるから
・生徒指導面での効果が期待できない
ウ)については
・顧問だけの方が指導に一貫性があり、トラブルもないから
・部活動が教育活動の一部である以上、外部からの指導者は不必要であるから
更に、「該当する指導者がいない」「謝礼等の余裕がない」という意見もあった。

 

条件が揃えば導入を考える学校の意見としては、「学校側の受け皿づくり」「指導者の人格」が大勢を占めている。
・外部指導者の保険、謝礼、身分保証面などの条件
・技術的な内容だけを指導するのでなく、学校側の事情や部活動の方針を理解し、生徒の育成を共に考えてくれる人がいたら考える
・時間的制約が許され、定期的に来ていただける人がいたらお願いしたい。
確かに、外部指導者を導入することにより専門的技能や技術を身につけさせ、勝つことよりその競技が好きになる。そして、それが生涯体育・スポーツにつながっていくという安易な発想になってしまわないよう十分配慮していく必要がある。

 

3. 外部指導者が運動部活動を指導することについて

 

図?指導することについて

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反対するほとんどの理由が、部活動はあくまでも学校教育の一貫であることが根底にあり、外部指導者と学校、顧問、生徒とのトラブルを心配している。また、社会体育への移行には環境・条件整備ができておらず、まだ時期尚早であり必要がないと答えている。
賛成については、積極的に導入していくことを考えている回答もあるが、ただ単に技術・技能だけの向上だけでなく、顧問の指導力の向上・負担の軽減も期待している。
条件付きで賛成には、勝利至上主義への行き過ぎた指導がないようにすることを大前提としたり、円滑な人間関係が最低必要条件に据えることを条件として提示されている。
その他としては、時代の流れでしかたないと答えたものもあった。

 

 

 

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